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「あの子が決闘相手?」
路地裏を覗きながら、僕は、思わず一人ごちた。
少年が震えるほど恐れを抱き、
毎週末、ここに呼び出され、
時間に遅れることも許されず、
めちゃくちゃ強い、
……そんな印象は微塵も感じない可愛らしい女の子だったから。
「少年が殺意を抱いた相手は、本当にあの子なのか?」
僕の質問に、あやめは答えない。
あやめは、ただじっと、路地裏に現れた少女を食い入るように見つめていた。
その理由を知るのは、もう少し後になる。
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