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「怖じ気づかずにちゃんと来たようね」
路地裏で待つ少年に、少女が言った。
見た目の可愛らしさとは反する高圧的な声と、堂々とした立ち姿に、場の空気が緊張する。
「う、うん」
少年は、およそ決闘に来たとは考えられない気弱な声を返した。
「まぁ、いいわ。決闘をはじめましょう!」
少年の弱々しい態度に、少しイライラした素振りを見せた少女が、声を張る。
決闘と言うより、少女が一方的に喧嘩を押しつけているように見えてしまう。
ただ、少女は、武器を手にしていないが、
少年は、ズボンの後ろポケットにカッターを忍ばせている。
殺意を抱いているのは、少年の方だ。
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