第3話 交差する殺意(後編)

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 「怖じ気づかずにちゃんと来たようね」  路地裏で待つ少年に、少女が言った。  見た目の可愛らしさとは反する高圧的な声と、堂々とした立ち姿に、場の空気が緊張する。  「う、うん」  少年は、およそ決闘に来たとは考えられない気弱な声を返した。  「まぁ、いいわ。決闘をはじめましょう!」  少年の弱々しい態度に、少しイライラした素振りを見せた少女が、声を張る。  決闘と言うより、少女が一方的に喧嘩を押しつけているように見えてしまう。  ただ、少女は、武器を手にしていないが、  少年は、ズボンの後ろポケットにカッターを忍ばせている。  殺意を抱いているのは、少年の方だ。
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