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「どうしたの?
一方的にやられるだけかしら!?」
一瞬にして、ほぼ決着がついたような一方的な展開に、少女が叫ぶ。
「まだ、だよ。
ちょっと……油断しちゃっただけ」
少年は、口元の血を拭って立ち上がった。
「そう。それなら続きよ」
少女は、一足飛びで少年との距離を詰めると、躊躇(ちょうちょ)のない拳打を少年の腹に突き刺す。
「がふっ」
口内に溜まっていた血を吐き出した少年だが、少女が放った右腕を両手で掴む。
「ん、なに?」
少年の反撃に、少女の表情が驚きに変わる。
「あああっ!」
少年が叫び声を上げながら、少女を掴んだまま、壁へ押しつけた。
中学生の男子。力だけなら同級生女子には決して劣らない。
といっても少年は、少女に対して格闘センスも、何より、躊躇しない覚悟の強さで圧倒的に劣っていた。
「甘いわよ」
少女の無慈悲な膝蹴りが、少年の急所を突き刺すと、少年の身体がくの字に折れる。
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