第3話 交差する殺意(後編)

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 「………っ!?」  声なき声の悲鳴を上げながら、股間に手を当ててよろける少年の顔に、 躊躇のない拳打が放たれると、少年は揉んどり打って倒れる。  あれはマズイ、勝負あったかな?  しかし、少女は、まだ攻撃の手を止めようとしない。  仰向けに倒れた少年の足の間に立つと、右足を高く振り上げ、それを思いきり股間に落とした。  「ひ、ぎぃ!」  無慈悲に急所を踏みつけられた少年が呻き声を上げ、見ているだけで尋常ない痛みが伝わってくる。  しかし少女は、躊躇わない。  もう一度、右足を上げると、股間を押さえる少年の手の上から、思いきり踏みつけた。  目を覆いたくなる状況、グシャリという響いてはいけない鈍い音が、木霊する。  少年の腕や足が、ピクピクと痙攣をはじめていた。  殺意を抱いていたはずの少年が、反対に武器を持たない少女に殺されてしまう……と心配になる。  「もう動けないの?」  少女は、痙攣(けいれん)する少年の股間を、足裏で踏みつけながら訊いた。
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