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「死ぬほど痛いもの?」
一部始終を黙って見ていた、あやめが久々に口を開いて訊ねる。
「あれはマズイよ」
「ふうん」
「僕の股間を見て訊かないで」
そんな会話を途切れさせたのは、路地裏で倒れた少年が何か言葉を発したからだった。
「ん? 何か言ったかしら?」
まだ少年の股間に足裏を乗せる少女が、訊ねる。
「……パンツ」
苦しそうにする少年が、絞り出すように声を上げた。
「は?」
少女は、少年が何を言っているのか分からないとばかりに首を横に傾ける。
「パンツ見えてる。縞模様」
「なっ!?」
少女が慌てて身を引いた直後、少年は、よろけながら立ち上がる。
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