第3話 交差する殺意(後編)

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 「この方のアドバイスだったのですね。  決闘に誰かの助言を求めてはいけないルールはなかったし、仕方ないわ」  あの後、少年は、黙っておけないと、決闘前に僕から助言を受けたことを少女に明かした。  少年と少女は、同じ中学に通う同級生。  少女は少年に強くなって欲しく、少年は少女の傍にいたい一心で、毎週ここに来ていたという。  「半分合格ってところかしら。  あなたは騎士じゃなくて騎士見習い、  いえ、玩具(おもちゃ)のままよ」  少女に言われた少年は、それでもなんだか嬉しそうだった。  そんな訳で、少年の殺意は未遂に終わったわけだけど……。  少女を巡る“交差する殺意”は、まだ終わっていなかった。
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