第4話 殺意の館(前編)

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 少女は、自分が他人から殺意を向けられていることを知っていた。  「私には分かるの。殺意を抱く人と抱かれた人が。  さっきは彼も殺意を抱いていたから」  あやめは、すでに殺意のない少年を見る。  「ナオくんは、約束を守ってくれただけです」  ナオと呼ばれた少年は、少女との決闘に向けて、本当に殺意を抱いていた。  だから本物の殺意として、あやめの瞳に映ったわけだ。  あやめは、少女がまだ別の何者かから殺意を向けられていることを告げた。  複数人からの殺意を向けられている、それが、あやめが気になった理由だった。  「もし、本当に私に殺意を抱いている者を見つけられるのでしたら。  私の屋敷まで来て頂けませんか?」  少女は、真剣な瞳で、あやめに言った。
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