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少女は、自分が他人から殺意を向けられていることを知っていた。
「私には分かるの。殺意を抱く人と抱かれた人が。
さっきは彼も殺意を抱いていたから」
あやめは、すでに殺意のない少年を見る。
「ナオくんは、約束を守ってくれただけです」
ナオと呼ばれた少年は、少女との決闘に向けて、本当に殺意を抱いていた。
だから本物の殺意として、あやめの瞳に映ったわけだ。
あやめは、少女がまだ別の何者かから殺意を向けられていることを告げた。
複数人からの殺意を向けられている、それが、あやめが気になった理由だった。
「もし、本当に私に殺意を抱いている者を見つけられるのでしたら。
私の屋敷まで来て頂けませんか?」
少女は、真剣な瞳で、あやめに言った。
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