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「執事の周防(すおう)です。由樹菜さまのお友達さまをお部屋に案内させて頂きます」
スーツ姿の細身で初老の男性、周防という紳士らしい紳士の執事に、僕とあやめは客室へ案内された。
建物内は、西洋風というか高級ホテルのようで、1階は広いロビーに食堂、会議室、書庫が並び、
2階から上に客室や主人達の部屋がある。
「こちらがお2人の部屋になります。
お荷物はこちらに置いてください。
由樹菜さまはロビーでお待ちしています」
あやめと僕が案内された部屋も、スイートルームのようで、綺麗な赤い絨毯の上にテーブルとソファ、
大型テレビと調度品の類が並んでいる。
「2人の部屋?」
問題は、部屋の奥にダブルベッドが1つしかないということだった。
「後で部屋を分けてもらうようにお願いしてみるよ」
しかし、あやめは、あまり気にしていない様子で、
「別に構わないよ。
キミがいいなら、ね」
部屋より、早く住人を確認したい好奇心が上回っているようだ。
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