第5話 殺意の館(中編)

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 あやめの予想通り、事件なく夕食を終えた僕達は、 一度部屋に戻った後に由樹菜の寝室に集まる約束をした。  「あやめ、どうして由樹菜に誰が殺意を抱いているか教えなかったんだ?」  客室に戻った僕は、あやめに気になっていたことを訊ねた。  「教えたいと思わなかったから」  浴場にいた時と同じ答えだ。  「それは、あの執事が殺意を抱いているからか?」  由樹菜にとって親同然の存在である執事が殺意を抱いているなら、 由樹菜のショックは大きなものになる。  「関係ないよ。本当に言いたくないと思っただけ」  言いたくない理由は何だろうか、それを考えていると、あやめの目が大きく開く。  「増えたみたい」  あやめは、窓の縁に隠れるようにして外を覗きこんでいた。  外に誰かいるのか?
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