完全犯罪!

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完全犯罪!

殺人事件が起きた。 防犯カメラの映像から、すぐに被害者の息子による犯行と判明。 動かぬ証拠があるのだから、事件は早期に解決すると思われた。しかし、捜査は行き詰まる。証拠があるにも関わらず、犯人の逮捕に踏み切れないのだ。 「参ったなぁ…」 愚痴をこぼしたのは山本 山太郎警部。通称ヤマさん。この事件の捜査官だ。 そんなヤマさんの相方、新米女刑事の新田 舞も溜息をつく。 「参りましたよね。私も捜査一課に配属されて、初の事件が完全犯罪とは運が無さ過ぎます。このままでは犯人の思う壺に…」 犯人の顔を録画した映像がありながら…犯人を目の前にしながら逮捕に踏み切れない。普通に考えたらあり得ない話だが、今回の事件はそのあり得ない事が実現したのだ。 だが、ヤマさんのこぼした愚痴は事件のことだけでは無い。事件が迷宮入りするのを防ぐ為にとる、その対処に愚痴があるのだ。 「新田は配属されて間もないから、まだ説明はして無かったが…捜査一課にはな、迷宮入りしそうな事件に対して、ある処置をとることにしているんだ。それを考えると気が滅入るから、溜息も思わず出ちまうんだよ」 「処置?」 「ああ…ドラマや漫画とかで見られる、名探偵に捜査の依頼を頼むんだよ。警察の威信にかけてそんなのは歓迎出来ない話だが、未解決で時効を迎えるよりかはマシだからな。未解決の捜査に費やした時間や費用は税金で賄われる。威信を気にしている場合じゃないって事よ」 ヤマさんの元部下であり、現在は探偵業を営む丹 貞太。この男が今迄に未解決事件の捜査に関わったのは十七件。その全てが丹の推理によって解決したのだ。 今回はかつてない完全犯罪。だが、丹の捜査本部への介入により、事件解決への道は開かれるのであった!
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