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そして、この時しか感じられない満足感と幸福感に包まれる。
身体全てを預けて彼の腕に包まれると、全身の力が抜けてへにゃへにゃになる。
これが骨抜きっていうことなんだろうなと、身をもって実感するんだ。
そういえば、前に”マロニエ”で瞬さんの顔を至近距離で見た時に意識を失ったのは、あまりのカッコよさに骨抜きになったからかもしれない。
今なら、あの時どうして力が抜けたのか理解ができるようにはなったから。
「……もう、いいか?」
「えっ、もう終わりですか?」
幸福の時間は一瞬で、瞬さんは私から離れようとする。
私は物凄く残念な顔をして、瞬さんの顔を見上げた。
「……これ以上くっついているのは……」
口を手の甲で隠し、今さら真っ赤な顔を隠そうとする彼。
そして瞳はかなり泳いでいて、私を見ないようにしてる。
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