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(あれ……これ、お説教されちゃう?)と、不安になる私。
今度は私も冷や汗を掻いてきた。
本音を曝け過ぎて怒られちゃうか?と覚悟したんだ。
「だから、もうこれ以上は無理だと思ったら、すぐに言ってくれ」
「へっ……」
そう思っていたら、まるで少年のような照れた顔をしてうなじを掻き、迷いながらも私を見つめる彼の瞳がそこにはあった。
ただどこまでも控えめな彼の姿に、私は笑顔で応えた。
「はい!」
困ったように微笑みながら、瞬さんは私の頭に添えていた手に力を入れてグッと引き寄せる。
その力にそのまま私は身体を預けて、もう一度瞬さんの胸の中に戻ることができた。
そして落ちてくる影は重なり合い、触れあうだけのキスが繰り返される。
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