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何度も角度を変えて行われるキスの経験なんて全くないから、どこで息継ぎをしていいのかわからない私は、ただひたすらに息を止めて彼のキスを受け止めていた。
そして終わったときに「ぷはっ!」とやっと息を吸い込むことができたんだ。
「……息はちゃんとしろ」
「タイミングがわからなくて……!」
「そうか」
情けない答えに理解をした返事をくれると、今度は肌へのキスの嵐が始まった。
額に目尻、こめかみに頬や顎のラインに落とされて、最後は耳に辿り着く。
「うひゃぁぁ……」
あまりのくすぐったさに身震いして瞬さんの腕にしがみついてしまった。
「……弱いのか?」
「こ、こんなの初めてだから、わ、わかりませんー」
「……」
その答えには無言を通し、彼はさらに耳ばかりに唇を落とすから、ずっと私の身体は震えっぱなしだったんだ。
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