桜舞うとき
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姉が家を出て行ってからも、毎年私は姉のお雛様を飾り続けた。 桃ではなく桜の枝を添えて。 姉は気づいていたのかもしれない。ずっと自分のお雛様が欲しいと羨ましがっていた私の気持ちに。 「ありがとう。でも、壊すといけないからいいよ」 お雛様には今まで通り、姉を守っていてほしい。 そう思って気が付いた。 きっと姉も同じだ。 遠い地へと旅立つ妹を、お雛様に守ってほしいと思ったのだろう。
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