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世界の頂上に立った人物は辺りを見渡してからゆっくりとしゃがんだ。
ごく自然な動きだ。
長い登攀を経てひと休みでもするかのように。
観衆はこの時を待っていた。
賞賛と感嘆の笑みや吐息がさざなみとなり客席を駆け巡る。
結果はもう分かっている。
またしても博士が新たな金字塔を、
それも世界の頂上に打ち立てたのだ。
こらえきれなくなった誰かが手を叩いた。
あっという間に拍手が渦になって広がっていく。
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