エクストリームNO・GU・SO

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 やがて件の人物が立ち上がる。 氷に白く覆われた山頂部に先程までなかったはずの黒い点が見える。 絶妙のタイミングでカメラがズームインしていく。  観客が立ち上がり始めた。 スタンディングオベーション。 ブラボーと言う叫び声があちこちから上がる。  レンズがついにはっきりと標的を捕らえた。 さりげないながらも圧倒的な存在感。 ほかほかの湯気まで伝わってくる。 次の瞬間、 画面が切り替わる。 アップになったサングラスとマスクの人物が上空のカメラに向かってゆっくりと大きく右手を伸ばし、 親指を晴天に向けて真っ直ぐに突き出した。
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