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「そろそろ話してもいいかな?」
熱気覚めやらぬ会場に落ち着いた声が響き渡った。
それを合図に人々が席に着いていく。
スクリーンの中で見せた並外れたカリスマ性はステージ上でさらに遺憾なく発揮されている。
まるで指揮者だ。
観客はまるで博士が振るう指揮棒に従う楽団員だ。
「今日は私のEX3PO(エクストリーム・エクスクリーターズ・エクスポ)へようこそ。
いや、
それは私が勝手に言ってるだけで、
今日の講演は、
実際には、
シンキング・エクスクリーション・ディッファレントリー、
それとも、
トライ・エクスクリーション・ダイナミックウェイだったかな。
とにかく何かそんな感じの名前のイベントと似たものでしょう。
正直、
私にとって集まりの名前はどうでもいいことだ。
私が話したいのは、
つまり私が皆さんとこの場で共有したいのは、
皆さんと私を自由へと導く素敵な体験の話だけです」
回りくどい語り口は博士の持ち味だ。
観客はよくわかっている。
アメリカでの講演なら膝を叩きながら笑い出す観客がいるはずだ。
ここは日本、
皆おとなしく、
同時通訳が翻訳する博士の声に熱心に耳を傾けている。
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