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第8章 #2
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『俺たちと行動を共にするということはお前にとって良いことなのかは正直、分からねえ。』
土方さんは真剣な表情で言葉を紡ぐ。
『危険な目にあったり血を見ることもあるだろう。』
『…………。』
私の涙はこぼれ落ちるのをやめて
私の目は真っ直ぐと土方さんを捉えていた。
『それでもお前が俺たちと居ることを選ぶのならそれ相応の覚悟をしてくれ。』
『……覚悟…』
そう呟いた私に
『俺たちに守られる覚悟だ。』
土方さんは力強く答えた。
『…後悔させねえ。この時代に来たこともお前が決めた覚悟もな。』
『……土方さん。』
そう言った土方さんは何よりも強く
美しく見えた。
誠の武士。
漢(おとこ)を見た気がしたんだ。
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