第9章

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『……はぁ…。』 外は暗闇に包まれて 開け放った窓からは 心地よい風が入り込む。 この時代に来て初めて 私はみんなと夕食を共にしなかった。 さっき平助くんが呼びに来てくれたけど 疲れて食欲がないからと言って 断ってしまった。 『……はぁ…。』 本当はこわかった。 沖田さんと顔を合わせるのも みんなの優しさに触れるのも。 暗闇に光る欠けた月を見上げて ため息ばかりこぼしていた。 .
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