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第20章 #3
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『…相変わらず君は残酷だね。』
『…っ。』
合わせられた瞳は
ただ悲しみしか映っていなかった。
『…もう僕の夢は叶わない…』
沖田さんはそっと土方さんから
手を離した。
『…もう暗闇に月は出ない…』
『…っ。』
いつかの話しを思い出す。
沖田さんにとって近藤さんは
暗闇を照らす大きな月…
『…ただの暗闇だけ…』
痛みが伝わってくる…
かける言葉が見つからない。
『…なぜ近藤さんなんだ…。』
沖田さんは背を向けて
ゆっくりと歩き出した。
『…僕が死ねばよかったんだ…』
沖田さんの言葉に
『…てめえ!総司!』
声をあげたのは左之さんだった。
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