第24章 #2

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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 『そのために戦略を練り、戦を起こし、勝機が遠のけば撤退する。…それは何ゆえでおわすか?』 『………っ。』 『それは己が命を守るためにありもうす。』 『ーーー……。』 『皆が申す ” 正義 ” や ” 大義 ” も全ては命あっての事。死しては何も成せもはん。』 『…………っ。』 西郷さんの口から出る言葉たちは ひどく冷たく鋭利なものばかりなのに 私は何も言えずにいた。 『死の淵より蘇りし高杉はんは理解頂けると思いもうしたが。』 『………っ。』 何も言い返せなかったのは 西郷さんの言う事が決して 間違っているわけではないと 心のどこかで思っていたからだと思う。 .
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