第26章 #2

1/24
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ

第26章 #2

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 『思わぬ傷を負い、臆したか?』 『…貴様。』 西郷さんは足を止めた。 『…野心のままに力を欲した理由はそれか。』 『…………っ。』 『己の力をも凌ぐ者の存在に臆し、その力を我が手中におさめ…』 『……………。』 『この国を力による恐怖で治めようとした。』 ーーーーーポタ…ポタ… 国綱を握り締める私の右手から血が流れる。 『それは、お前が何ものよりも弱いからだ。』 『ーーー…っ!!』 私の言葉に西郷さんは怒りを露わにする。 『…力を欲するのは己が弱いと認めたも同意。』 そう。 私がそうだったように… .
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!