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第26章 #2
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『思わぬ傷を負い、臆したか?』
『…貴様。』
西郷さんは足を止めた。
『…野心のままに力を欲した理由はそれか。』
『…………っ。』
『己の力をも凌ぐ者の存在に臆し、その力を我が手中におさめ…』
『……………。』
『この国を力による恐怖で治めようとした。』
ーーーーーポタ…ポタ…
国綱を握り締める私の右手から血が流れる。
『それは、お前が何ものよりも弱いからだ。』
『ーーー…っ!!』
私の言葉に西郷さんは怒りを露わにする。
『…力を欲するのは己が弱いと認めたも同意。』
そう。
私がそうだったように…
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