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そして次に目を開けると今、外出する支度をしているシオンが目の前にいたんだ。
・・・ヴァンパイアハンターか。
聞いたことはある。混血の雑魚共が騒いでいた。
それにシオンがヴァンパイアハンターなら納得だ。
俺の口に指を突っ込んだ時に舐めてしまったあの血。普通の人間の血じゃなかった。
すごく甘くて・・・。
美味しくて・・・。
神聖で・・・。
血を好まない俺でも侵されそうになるあの臭い。
「じゃあな。」
そう言ってシオンは出ていった。
くそっ。
正直言って俺はあの男、シオンといたくない。
いつか自ら血を求めてしまいそうだから・・・。
襲ってしまいそうだから・・・。
最悪、理性を失ってしまうかもしれない。
けど・・・。
シュルの手がかりになりそうな話を聞けたから、あいつと居ればなにか変わるかもしれない。
俺もみんなみたいにこの500年間の人生に幕をとじれるかもしれない。
だったら・・・。
俺は部屋を飛び出してシオンを追いかけた。
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