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あれから数日後。
特にこれといった出来事もなく、日々は過ぎていった。
「なぁ、勇希…」
「ん?」
午前中の講義が終わり、筆記用具を鞄の中にしまっていた俺に、賢人が声をかけてきた。
「お昼さ、外で食べね?」
「外?お弁当を外で食うってこと?」
実は今日、俺と賢人はお弁当を作ってきた。
そしてお互いのお弁当を交換した。
つまり、俺の作ったお弁当を賢人が食べ、賢人の作ったお弁当を俺が食べるという訳だ。
「そっ。今日はめちゃくちゃ天気良いしっ」
確かに、今日は雲一つない快晴だし、ポカポカと暖かいし…。
俺は首を縦にふって賢人の提案を承諾した。
◆◇◆◇◆◇◆◇
広場の空いていたベンチに俺と賢人が腰掛け、貰ったお弁当の蓋を開ける。
ふおぉ~、美味そぉ~!
俺が貰ったお弁当の具の中に、小さめのハンバーグがのっていた。
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