242人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねぇ、勇希」
「…何?」
「今日の夕飯、あなたの大好きなカレーよぉ~!」
カレーかぁ…。
確かに嬉しいなぁ…。
でも、俺は今素直に喜べる状態じゃなかった。
「…勇希?どうしたの?」
喜ぶ様子を見せなかった俺に、母さんが心配そうに声をかけてくる。
ここで顔に出しちゃあまずいな…。
心配してきた母さんに、俺は誤魔化すために無理に笑顔を作った。
「あ、なんでもない!考え事しちゃってたよー!カレーすげぇ嬉しい!!」
俺の笑顔を見て、そして俺の言葉を聞いて安心したのか母さんもニッコリと笑う。
「すぐ作るからね」
そう俺に言い残し、買い物袋を持ってキッチンへと向かっていった。
最初のコメントを投稿しよう!