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「・・・そうだよ、渡す予定だった。」
「誰に?」と
言葉にした後に握っていた手に力を込められて正直腕が痛い。
「・・誰にって、翔がそれを言うの?
散々バレンタインの事悪く言ってさ!
おまけにチョコが嫌いだって言った翔がそれを聞くの?」
一度口に出してしまったら止まらなくて
涙も止まってたのにまた溢れ出してきて止まらない。
「私が!誰かにチョコを用意する相手なんて一人しかいない!
翔しかいないんだよ!何で気づかないの!」
涙を流しながら八つ当たりの様に翔に言葉をぶつける。
普段大きな声で話すことのない私が怒鳴るよに
喋るもんだから翔は驚いて固まっている。
周りから見たら滑稽な光景だろうなと
他人事のように思いながら言葉をつづけた。
「私は、翔が好きなの!だから今日はチョコも用意した!
気持ちを伝えようと思ったから!・・っ・・。
でも翔からしたらこんなのはバカでしかないんでしょ?
なら・・」
こんなのいらない。と続くはずだったのに
翔に抱きしめられたことで遮られた。
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