気持ちを込めたチョコレート

4/6
前へ
/6ページ
次へ
「・・・そうだよ、渡す予定だった。」 「誰に?」と 言葉にした後に握っていた手に力を込められて正直腕が痛い。 「・・誰にって、翔がそれを言うの? 散々バレンタインの事悪く言ってさ! おまけにチョコが嫌いだって言った翔がそれを聞くの?」 一度口に出してしまったら止まらなくて 涙も止まってたのにまた溢れ出してきて止まらない。 「私が!誰かにチョコを用意する相手なんて一人しかいない! 翔しかいないんだよ!何で気づかないの!」 涙を流しながら八つ当たりの様に翔に言葉をぶつける。 普段大きな声で話すことのない私が怒鳴るよに 喋るもんだから翔は驚いて固まっている。 周りから見たら滑稽な光景だろうなと 他人事のように思いながら言葉をつづけた。 「私は、翔が好きなの!だから今日はチョコも用意した! 気持ちを伝えようと思ったから!・・っ・・。 でも翔からしたらこんなのはバカでしかないんでしょ? なら・・」 こんなのいらない。と続くはずだったのに 翔に抱きしめられたことで遮られた。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加