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和真は心底不思議そうな顔をして、ふいっと前に向き直ってしまった。
「…」
自分の言葉がどう受け止められているのか気にはなったが、それ以上追及することも出来ずに、碧は和真の半歩後ろをついて歩いた。
黙々と歩くと、もう店の裏口の前まで戻って来ていた。
「あ、…あの…」
扉に手を掛けた和真の背中に声を投げる。
けれど結局なんと言えばいいのか分からず、続きが口に出来ずにいると、和真の方が先に口を開いた。
「…さっきの話なら、これから考える。今は休憩とは言え、仕事中だろう?午後からも忙しいから集中しろよ?」
「は、はい!ありがとうございます!」
ちゃんと考えてくれると言う言葉に舞い上がって、碧は深々と頭を下げた。
「は、まだ何も答えてないだろう?ホントに面白い奴だな」
碧の大袈裟さがツボだったのか、和真はくっと表情を崩して笑った。
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