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和真が何にも置いて優先するのはやはり仕事なのだ。
碧も見習いたくて、残業を買って出た。
長く側にいたいと思ったし、何よりも早く近づきたかった。
「いや………今回はいい。お前は梅園についてここの仕事をまずは覚えろ。仕込みは俺と薫でするから」
暫く考えるような素振りを見せた和真はそう言って裏口を開けるとさっさと中に入ってしまった。
「…藤原さんとするんだな…」
よくよく考えれば、当たり前のことなのだ。フェアリーガーデンは二人で起ち上げたお店だと聞いている。
慣れた二人でやったほうが効率もいいだろうし、綺麗に仕上がる。
頭ではそれも理解出来る。
それでも。
碧は胸の隅っこがチクチクと痛む感覚に捕われて、胸の当りをぎゅっと掴んだ。
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