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「やっぱりそうだよねぇ…村瀬さんが彼大好きだから私も話したことはないんだ」
よく笑うとか、チョコケーキ好きだとか、そういう情報は全部村瀬から間接的に仕入れたものだ。
若い男の子が一人で来るのは珍しいから背格好は覚えているものの、薫自身が直接知っているわけではなかった。
「…薫に任せる」
興味が失せたのか和真は面倒臭そうに一言呟いて、休憩室の冷蔵庫から水の入ったボトルを取り出した。
「…分かってるよ。そういうこと、あんたが出来ないから一緒に店出そうって話になったんだし。…けど里見さぁ、真宙(マヒロ)ちゃんにするみたいに、もうちょっとだけ、愛想よくしたら?」
そうすればもう少し人員も潤うんじゃないかな、という言葉は飲み込んで、薫は一応進言してみた。
「…面倒」
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