陽気なオトコ

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何かを言いかけた父親、雅人の言葉を遮って碧は呆れたように問いかけた。 「正直…お前がそこまで真剣だと思ってなかったからな」 雅人の抱える罪悪感と相まって、だから好きなようにさせたと、そういうことなのだろう。 「親父ってさ…馬鹿だよな」 自身の熱意を無下にされたような気がして、碧は僅かに眉根を寄せた。 「親に向かって馬鹿とはなんだ」 雅人は真面目な人間だから言われた言葉はそのまま鵜呑みにする。 悪く言えば、融通が聞かない。 憮然とする父親を尻目に、非難の言葉とともに碧はきっぱりと言い放った。 「だってそうだろ?……兄貴のことも母さんのことだって……とにかく俺はパティシエになるから。これだけは譲れない」 「…分かった」
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