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「…なくはないですね…」
和真の言うように、準備に赴く必要はある。ただ演舞の時だけ参加するという形を取るわけにはいかない。跡目は継がないにしても座長の息子だということに変わりはない。
浴衣を渡せたことですっかり舞い上がっていたから、デート気分で一緒に行きたいと言うつもりだったが、よくよく考えればそれも難しいような気がしてきた。
それ以上何も言えなくなってしまった碧に追い打ちをかけるように、和真はさらっと別行動を提案した。
「俺は俺で行くから、場所だけ後で教えてくれ」
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