祭りと、君と。

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なるほどさっき久しぶりの会話だと思ったのも言われてみれば納得だった。 和真は和真で薫と新商品の考案やお盆商戦の準備で二階堂と同じ作業をすることがほとんどなかった。 二階堂も引き継いだ業務に慣れるのに手一杯だったはずだ。 会話らしい会話をした覚えがよく考えれば、ない。 『そうですよ!和真さんここ一ヶ月は殆ど薫さんと仕事してたじゃないですか』 「それは新商品の打ち合わせで…」 『俺も参加したかったです』 どうやら負担を増やしたらダメだと思っていたことが裏目に出たようだ。 「…秋のハロウィンはお前も一緒に考えてくれ」 『はい!毎年凝ってますもんね』 近頃はハロウィンで仮装してパーティをする家も増えてきてハロウィン仕様のケーキも人気がある。 まだ少し時間があるしそんな頃には二階堂も仕事に慣れるだろう。 「…期待してる」 『頑張ります!…和真さん』 ウキウキしたトーンで話していた二階堂だったが、和真を呼んだ声は落ち着いたものだった。 「なんだ…?」 急に違うトーンで呼ばれて和真は眉間にしわを寄せた。 『明日なんですけど…やっぱり一緒に行きませんか?今日一通りの準備は手伝ってきたんで、明日迎えに行きたいんですけど…ダメですか?』
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