無愛想なオトコ

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和真は眉間に刻んだ皺を更に深くし、ため息をつくと渋々受話器を手に取った。 「…お電話ありがとうございます。フェアリーガーデンです」 愛想のかけらもない声音で店名を名乗ると、和真は手近に置いてあったメモを引き寄せた。 電話に出た以上、間違いがないようにしなければいけない。 愛想はないが、根は真面目な男なのだ。 手に取ったボールペンをくるりと回すと、聞き慣れた声が耳に飛び込んできた。 「お、里見か?珍しいな、お前が電話に出るなんて」 「桜井先生…俺だって電話くらい出ますよ」 和真はいつも無意識で寄せている眉間をさらに寄せてため息をついた。 「あからさまに嫌そうな声出すなよ、スイーツ王子」 和真のため息に苦言を呈して、桜井はわざとらしく和真をそう呼んだ。 「そんな話で電話してきたんですか?切りますよ」
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