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「昨日の件だろう?昼飯の時でいいか?」
それは二人で一緒にお昼を食べるという解釈で合っているのだろうか。
「はい!……もち、ろん…」
勢いよく答えたものの、和真と二人でご飯という、本来なら何でもないようなシーンを想像しただけでかぁっと頬が熱くなった。
急に歯切れの悪くなった碧を振り返った和真と目が合って、どきりと鼓動が揺れる。
おかしな夢を見てしまったせいで全身の神経が和真に反応して、碧は慌てて目を逸らした。
「…どうかしたか?」
和真の訝しげな声に半分だけ顔を上げると、和真の唇が視界に映った。
…駄目だ。どうにも変に意識しすぎて、息苦しい。動悸がする。
「あ、いえ。…すみません。何でもないです」
「…そうか…?じゃあ二階堂も準備の手伝いをしてくれ」
和真はそれ以上の追及はして来なかったので、碧も幾分か落ち着いた。
「分かりました」
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