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店員さんは忙しそうにカウンター裏からゲームを持ってきては、レジに通す。
予約していた名前を店員さんに伝え、前にいた人と同じように店の名前のロゴが入った袋を受け取った。
早る鼓動を抑え、店内を出て僕とユウタは顔を見合わせた。
「「よっしゃあああああああ!!!」」
僕達は、待ちに待ったゲームを受け取った喜びを周りの目も気にせず大声で表し合った。
「なあなあ!早く帰ってプレイしようぜ!」
「うん!」
興奮も冷めない内に僕達はいつもの喫茶店まで走り、そこから一旦別れを告げ、僕は自分の帰路へつく。
早くプレイしたい! ここまで自分がこのゲームを待ち望んでいるとは思わなかった。
昨日も遠足前夜の小学生みたいに眠れなかったっけ。
アルマニオンにはVR中に任意の相手と電話が出来る(現代で言うところのスマートフォンと同じ)機能が付いているので、ユウタとは電話で連絡を取り合うことになっている。
帰り道に走ったせいかすごく息切れがする。 でも、今はそんな事はどうでもいい。
僕は制服を脱ぎ捨て私服に着替え、袋からSVERUS・ONLINEのパッケージを取り出し、中に入っているマイクロチップをアルマニオンに差し込んだ。
アルマニオンを頭に装着して、数秒後に駆動音が鳴る。
僕は、起動させるのに必要な言葉を口にした。
「Connection VR World!(仮想現実世界へ接続!)」
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