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呼び出し音がする、時計を見ると休憩時間から2分過ぎていた。 23分の間に観た夢とは思えないぐらい長い夢を見た気がするが、全くもって内容を思い出せなくてむしゃくしゃする中、面倒臭い時間がやってきたのかと思う。 この瞬間が本当に人間を辞めたくなるのだが、ここは身を引き締めて頑張ろうと頭の中で思いつつだらけながらレジに向かう。 「おかえり、僕今から休憩取るからこのゴミよろしくね。」 それだけ言い終わるとゴミを纏めるだけ纏めて佐原はそそくさと休憩室に入って行った。 寒い外に出たくなくてまた押し付けやがったな、クソ。 佐原に苛立ちながらもゴミを外に出しに行く、ふと音楽が聴きたくなって携帯の画面を立ちあげると通知が来ていた。 橋中さんから1着のメッセージが来ています。 もう半年は連絡を取っていない元カノからの連絡。 今更何故連絡が来たのか心当たりが無くてロック画面のまま一時停止する、思わず別れた日を思い出してしまう。 彼女は泣いていた、振られたのは自分で泣きたいのもこっちの方だったから彼女の涙が何を意図するのか理解が出来なかった、そしてこの連絡も何を意図するものなのか全く持って理解が出来ない。 意を決してメッセージを開くと思ってた以上に内容は簡素なものだった。 久しぶり、今度暇な時会えませんか。 そちらの都合のいい日に合わせます。 様々な気持ちが混ざり合い嫌な気持ちになった、会うことに関して嫌なわけではないのだが何故今更また関わろうとするのかが謎だった、でも心とは勝手で好きだった頃の気持ちをぶり返し、彼女に対する恋心を再び燃やすだけだった。 出来ることならまた会いたい、そして聞けることなら何故あの時泣いていたのか理由も知りちゃんと納得して別れを告げたい。 出来るだけの平常心を装い彼女に返信した、本当に会うべきなのかどうかはわからないけど、何だか今この機会を手放したらいけない事だけはしっかりと確信を持てた。
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