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すごーい!これって、雑誌の表紙用の書き下ろしカラーイラストなのでは!?
「せっ・・・先生、あの・・・?」
完成されたイラストに5アシであるあたしがする仕事なんて何もない。どうすればいいのだろう、と思って顔を上げると、先生が静かに言った。
「おばあさま、残念だったわね。ちょっとでも元気になってもらおうと思って、昨日書いたのよ。あなたへプレゼント」
まーじーでえええええええー!!!?
興奮のあまり鼻血が出るかと思った。頭に血が昇ってくらくらする。
・・・・そんな。まさか、あたしの為なんかに・・・直々にイラストを描き、色までつけてくださるなんて・・・・!!
ああ・・・今、死んでもいい・・・。
呆然として手を震わせるあたしを、他のアシスタント達が羨ましそうに見詰めている。
「いいなー!さっちゃん宝物貰ったねえ!」
「激レアじゃん。売ったら凄い金になんぜ・・・」
「うわああ~!めちゃ贅沢ー!いいなあいいなあ!!」
「・・・・格好いい。このタケルさん、色っぽい・・・」
「これこれ、あなたたち!」
一気に集中力が切れて騒ぎ出したアシスタント達を、第1アシが止める。
「ほら、仕事仕事!あと20ページ、明後日までにしあげなきゃならないのよ!」
先生はもう一度あたしに微笑んで、自分の席に行ってしまった。
あたしは興奮が冷めないまま頂いたイラストを見詰める。
タケルが・・・あたしを見詰めている。
半分後ろを向いた体勢で、体を捻ってこちらを見て微笑んでいる。
・・・・・か。
・・・・・格好いいいいいいいいいいいいい~!!
ああ・・・泣きそう。嬉しすぎて。
あまりにぼーっとしていて、第1アシさんからクッションが飛んできたことにも気付かなかった。
あたしが制裁を受けたのを見て、アシスタント全員が原稿に向き直る。
それからは、目の前に迫った締め切り目指して全員が戦闘態勢に入った。
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