友世と暁子

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「ずっとそのまま?」 「本当はスイートホーム、すぐにでも欲しいんだけど。就職して頭金貯金して。住宅ローンが組めるようになったら独立するわ」 「しっかりしてるわねえ」  暁子はふふふ、と笑った。 「実家にいるうちにお金貯めないと」 「デキ婚かあ。暁子の話を聞くと合理的な気がしてきたわ」 「でしょ。友世達はそういうの、なし? ずっとひとつ屋根の下なのに?」 「学校を卒業してきちんと婚約してからって、譲らないから」 「あー、いかにも洵さんらしい」 「でしょう。それでね・・・」  友世は声を潜めると、話始めた。 「先月、お父さんが二泊三日の出張だったのね」 「よっしゃ! って感じでしょ」  暁子はワクワクとして、先を促した。 「洵の部屋に、ネグリジェ着て、勝負パンツはいて行ったのね」 「うんうん」  あの友世がネグリジェを着るなんて。それだけでも格段の進歩だ。その姿を想像するだけで、なんだか可笑しい。
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