レッスン2

9/29
142人が本棚に入れています
本棚に追加
/55ページ
「好きでもないのに告白してフラれてこいと?」 「あ?誤魔化すなよ。誰がどう見たって好きなの丸わかりだろ。レーザービームが出てんだよ、お前の目から貫くくらいの激しいの。ラブビームってやつか?」 「……え?」 「は?」 トクトクと規則正しく打っていた鼓動が段々と早く激しくなり、カアッと顔に火がついた。 まさか、三木に指摘されて気が付くなんて。 「……私、岩さんのこと好きになってたのか」 「自分が誰に好かれてるか気付かなくても、自分が誰に好意を抱いてるかは気付くだろ、普通」 それが普通じゃないのよ、私は。 人生で一度も異性と付き合ったことがなく、それどころか苦手意識まで抱いてしまっているのだから。 今こうして三木と向かい合って会話していることさえ奇跡、いや地獄だと思っているくらいだ。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!