彼と彼の

思い出したくないこと

「中学の時、はじめて男の子とお付き合いしたの」

「うん」

「ほんと大好きだった人がいてね。

でもね、その人すごい束縛が強かったの。
分かるかな、束縛って」

「なんとなく、、、すんげーヤキモチやくひとでしょ」

善くんは ちょっと悩みながらもそう答える

「縛るっていうか、うん、まあそんな感じでね

俺以外の男とは話すなって、それだけ厳しくって。
同じクラスの子とも、全然話せなかった。 話してこなかったの」

「もうねえそんな感じの毎日が嫌になって、別れたいって思った」

「別れたの？」

「それが、 それを伝えても無理だった
途端に暴力がひどくなった」

「サイテーじゃん」

「だから私、〝もう二度と私の前に現れないで！〟って叫んで逃げた。

もう終わらせたかったから」

「結局別れられたの？」

「私はそう思った。 終わったんだって

それからあの人は学校にも来なくなっちゃって、 あっちの親から、最近家にも帰ってきてないって言われて。

一度は大好きだって思わせてくれた人だったから、何とか探してあげたくって」

こうやって 話しているだけでも、

色んなことを思い出して、

感情が迷子になってる