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沙紀の精神は限界まで壊れていた。奴らは知らなかったのだ。
限界まで人間を追い込んではいけないと手負いの獣ほど怖いものはないのだと。知ってはいても実感していなかった。自分たちが追い込まれたことなどなかったのだから。
私が沙紀が監禁されていた部屋にたどり着いたとき、まだ十歳に満たない少女は血の海の中で泣いていた。
「私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない」
何度もうめくように泣きじゃくる沙紀を見て私は沙紀を抱きしめた。
「ああ。沙紀は悪くない」
抱きしめた体が震えた。
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。私が悪かったです。変わりますから。良い子になりますから」
ぎゅっとさらに強く抱きしめた。
「沙紀は悪くない。変わる必要もない。僕が君の全てを受け入れてあげる」
私はそう沙紀の耳元で誓った。以来ずっと私は沙紀の傍にいる。
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