たべたい

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「じゃなくて、そんな先のわからない状態で、その……告ったりとか、さ……」 照れくさいけど言葉を継いだ。 やっぱり、絶対オレ、熱で沸いてる。 そうじゃないとおかしい。 この人にこんなこと言うなんて、素面じゃあり得ない。 だから沸いてる。 ふむ、と考えるそぶりをする先輩。 ばれてるから。 あんたのその態度、絶対本気で考えてないだろ。 オレがぐるぐるして頭沸いてるようなこと口走ってるのを、ものすごく楽しんでるよな? 「チヨは俺の患者だからなあ……」 もったいぶった様子で先輩が口を開く。 「キス止まりが生殺しって思う奴もいるだろうけど、不埒な行為が健康になってからって思えば、チヨの場合、それが励みになりそうで……治りもよくなるんじゃないかと思うんだよね」 「は……?」 「うん、やっぱりそうだな。告白がお前の励みになるなら、巻き込むくらいしてもいいんじゃないかと思うよ。病院で再会してるわけだし、見舞いじゃないのだって知ってたんだろ? だったらそれくらいは覚悟の上で口説いてたんだろうし、さあ」 「励みにしていいの?」 「本人に聞いてみるといいよ」 まあ、熱があるときに考えるような内容じゃないよね。 先輩はそう 笑ってオレの髪をなでつけ、もう一度ベッド周りをチェックしてから、カーテンを細く開けてくれた。 ちょうど、病室の入り口が見える部分だけを。 
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