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少しでも遠ざかろうと、僕は泣きながら後ずさりした。初めはうっすらとしか見えなかった女の人が、どんどん近付いてくる。
「……あなたの本当のお父さんは、×××なのよ~~~~!」
「?」
女の人が何か叫んでいるけれど、遠くてよく聞こえない。
「あなたは、○○○○なのよ~~~~~!」
また何か叫んでいる。どうでもいい。こっちに来ないでくれ……!
ダーーーーーーーーーーーーーーーン!
何かが爆発するような音が広場から山々に響き渡り、女の人が前のめりにドサリと倒れ込んだ。
今のは何? まさか…………銃で撃たれた? 日本で銃を持てないんじゃないの? 猟師さんに間違えられた?
分からない、分からない……。
僕の意識は、そこで眠りに包まれた。
全部悪夢だったらいいのにと、願いながら。
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