おらが村さのちょこれーと

玄関先で片膝を付いて頭を下げるおれに長老は笑顔で手招きをする。

村の全員が長老の家に集まって宴会が始まった。

村の人口は63人。
現代日本の目まぐるしい生活から隔絶された秘密の里。
役所も把握していない秘境だった。
おれたちはここで平穏に暮らしている。

時折、外部から嫁を迎えた。
身寄りの無い女を見つけると身辺を入念に調査して、この村の意義を理解し納得してくれる者を連れてくる。
その後、長老の眼鏡に叶うとめでたく村民として認められた。

秘密を聞いて難色を示した者や長老に弾かれた者はその記憶を消されて元の生活へと戻された。
そうしておれたちの生活は守られている。

村は完全な自給自足。
卵や肉を得るための鶏は勿論、豚に乳牛、肉牛に山羊に羊も飼育している。