おらが村さのちょこれーと

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それで充分だ。 テレビもラジオもネットも必要が無かった。 ただひとつの文明を除いては━━━ 「今年のカカオも良くできている。買い付けずに済みそうだぞ!!」 栽培担当が胸を張る。おれたちは歓声をあげて歓びの歌を歌った。 村の存続を賭ける事業。 それは チョコレート作り。 おれたちはこれを元に世に夢を売って、時としてどうしても必要な金を得ていた。 その昔、おれたちの祖先はほうぼうを歩きながら歌や躍りを披露して人々を楽しませる民として歓迎されていた。 遠くは中国やインド、ヨーロッパまで出掛けていたという。 そうして外国の文化や文明を持ち帰り、かの織田ナントカ云う武将に献上したこともあるとかないとか。
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