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『えっ、レナ。また生活費が無いの?』
『ごめんね・・・。学校の方が忙しくてバイトに入れないかったから・・・』
『で、今回は幾ら?』
『5万でいいよ』
僕も僕だ。彼女から多額の金銭の要求を聞かされると、嫌だと拒否ができない。だから、彼女の希望通りのお金を渡してしまっている。
その金額はすでに数十万に達している。返済の見通しは無い。僕は彼女に貢いでいるのか。
その代わり、その日の夜は彼女が『一緒にいてくれる?』と言葉を掛けてくれるので、僕は熱い夜を過ごしていた。
そんな思いも、3月上旬の渋谷に出かけた時に気持ちは一変した。
「お決まりですか?」
その一言に僕は振り向いた瞬間、全身が雷で打たれたような思いだった。
目の前に立っていたショップの店員は、見事に僕の好みの女性だった。
レナと同じく、スレンダーな体に胸は小さいが、顔も小さい。髪はロングヘアーでお団子にまとめている。レナとは違う色気は、可愛さと大人びいた感を併せ持つ素敵な女性だった。
「はい。あれっ、レナ?」
僕がその店員に見惚れている間、レナの姿は消えていた。
「彼女のお名前、レナさん・・・、って、いうんですか?」と店員さんが聞いてきたので、僕は素直に「はい」と答えると、彼女は「私もレナっていうんですよ」と嬉しそうに答えた。
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