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それがきっかけになったのは紛れもない事実だ。
僕の彼女のレナに取り寄せた『桜色チョーカー』をプレゼントしたその日その時。彼女は思いがけない一言を僕にいった。
彼女のアパートで僕は、買ってきた桜色チョーカーを彼女の首に着けてあげた。それは、桜色のピンクに色づけされた幅広のスェードが、三重にもなっている物で、胸元には桜の花びらがアクセントして付けられている。花びらは鍍金なのか・・・。
「ねぇねぇ。これはもらっておくけど、また、生活費を援助してくれない。5万円でいいんだけど・・・」
そうレナはいいながら、僕の首筋に吐息を吹きかける。
「まっ、待てよ!だって、この前生活費だといって5万円渡したばかりだろう。そのお金どうしたの?」
「あっ、あれは・・・。家賃代に支払ったから・・・。今月は本当にピンチなんだ」
「そんなこといわれたって、僕だって5万も渡したら生活が出来ない。無理だよ」
「何とかなるでしょう。私はならないの!学生だから」
「ふざけるなよ!僕だってもうそんなにお金に余裕は無い!」
「へぇ・・・。このチョーカーを買ったお店の店員さんに色目を向けていたくせに・・・。あぁ、そっか。私の知らないところであの店員さんと・・・。浮気しているんだ」
「なに!」
僕はその彼女の一言に怒りを感じ、思わず、彼女の首に着けた桜色チョーカーに手をかけて、後ろに思い切り引っ張った。
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