桜色チョーカー

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 目の前には息をしないレナがいる。  いや、いるのだろう・・・。  彼女が苦しみその場にあった物で僕を殴った。その弾みで部屋の明かりが消えた。  それは間違いなく、部屋の電気のリモコンだろう。  真っ暗な部屋の中に倒れる彼女を、明かりを点けてまで死んでいるか生きているのか確認をするほど、今の僕には、それほどの心の余裕はない。  一刻も早く、この場から去りたい。  幸いな事に、ここは彼女の部屋だ。物取りか不審者が侵入して彼女を襲った事にすればいい。それに、この部屋に来てすぐ、彼女にこの桜色チョーカーを渡しただけだから、他には何もいじっていない。部屋を少し荒らしておけば・・・。  僕はそう思い、少しだけ部屋の中を散らかした。  そして、静かに部屋を後にする。  あとで警察に聞かれても、確かに彼女の部屋には行ったが、あの桜色チョーカーをプレゼントしに行ったが、生憎、すぐに部屋を辞去したいえば事は済む。  指紋を取られても平気だ。僕はレナの彼氏だ。当然、あの部屋には何度でも行っている。そして、何度も寝ている。情を重ねていたんだから・・・。  その翌日。テレビのニュースで報道されている内容を見た僕は、愕然とした。
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