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「お前が武内レナさんを殺したんだろう!」
「僕はやっていない!やっていません」
「嘘を吐くな!あの部屋に出入りをするお前の姿を見ている住人は何人もいる。それに、彼女は最近、ストーカーに怯えていたという情報もある。それが、お前だろう」
「違います!僕も彼女からストーカーに怯えている話は聞きましたが、僕はそのストーカーじゃありません」
「ならなんで、彼女の首を絞めたこの黒の首飾りにお前の指紋が付いている?」
「それは何かの間違いで・・・」
「それに、お前さん。三日前に彼女の勤めている店に顔を出しているな。それと、彼女の帰宅を待って、駅で待ち受けていただろう。駅の防犯カメラにお前と怯える彼女の姿が写っていた。彼女を物陰に誘い込む姿がな」
「それも違います。僕は僕の彼女に買ったプレゼントを受け取りにあの店に。それに、僕は彼女の名前がレナさんだという事は知っていますが、苗字までは知りません。彼女の部屋にも行った記憶はありません」
「なら、なんで彼女のマンションの防犯カメラにお前の姿が映っている」
刑事は僕の目の前に一枚の写真を置いて見せた。
「あっ!これ、レナのマンションの写真・・・」
「やっぱり知っているじゃないか!何が知らないだ!」
「いえ。いや・・・、このマンションは僕の彼女の、武内レナが住んでいるマンションで・・・」
「だから、殺された被害者は武内レナ。お前が彼女だといっているこの女性に間違いないだろうが!」
刑事の声はいい加減、罪を認めろとばかりの激しい語気を感じる。
しかし、刑事が見せる殺された女性の写真は、僕の知っている渋谷の店の店員だったレナさんだ。
僕の彼女のレナではない。
これはいったい・・・。
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