第1章

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このまま、私は罪悪感を抱きながらずっと生きていくのかな。 稜介ごめんねってずっと思い続けるのかな……。 目頭をおさえる。……やばい、泣きそう。 “コンコン” ……ちょっと、泣いてる顔の時に、お母さんタイミング悪い! あわてて目元をティッシュでぬぐう。 「はーい。入っていいよー」 「あ、ハイ。お邪魔しますね」 部屋のドアじゃなくて、窓が開いた。 「こんばんは。夜分遅くにすみません」 「……こんばんは」 窓から知らない男の人がひょっこり顔を出した。 ……思わず挨拶をしてしまった。 誰だよ。お母さんじゃないじゃん。ていうかマンションの10階の窓からおいでになるとか何者だよ。窓からこんばんはとか新しすぎてついていけないよ。
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